-On-site issues-
現場の課題
DX化が進む一方で、中小製造業の現場では今なお、紙の作業指示書やExcelへの手入力による工数管理が多く残っています。特に試作や小ロット製造では案件ごとに内容が異なるため、属人的な運用になりやすく、工数の見える化やトレーサビリティの確保が課題となっています。
NeotecJapanでは、こうした現場課題に対して、カード認証によるシンプルな操作で作業時間を自動記録できる「ファクトリースキャナー(工数管理システム)」を開発。現場で使いやすい操作性を重視しながら、製造現場の工数管理の電子化・見える化を実現しています。
-Overview-
システム概要
ファクトリースキャナーは、既存設備を大きく改造することなく、製造現場の工数を電子化・可視化できるシステムです。作業者がカードをかざし、「開始」「終了」ボタンを押すだけで、作業内容や稼働時間を自動で記録。紙の記録やExcel転記を減らし、リアルタイムで作業実績を管理できます。

-Approach-
開発背景
導入のきっかけは、手書きによる時間記録の曖昧さの改善と、製造実績データの正確な取得でした。従来は、現場担当者が紙の作業指示書を用意し、作業者が終了後にExcelへ実績入力を行う運用でしたが、「記録精度のばらつき」「転記作業の負担」「過去データを活用しづらい」といった課題がありました。
特に試作や単発案件の多い製造現場では、実績データの精度が見積や工程改善にも直結します。そこで、「現場の入力負荷を減らしながら、正確に記録できる仕組み」を目指して開発がスタートしました。
-Key Priorities-
開発のポイント
今回の開発では、単なる“入力システム化”ではなく、現場で使い続けられる操作性を重視しました。
01|3つのボタンのシンプル操作
「準備」「開始」「終了」の3ボタンという直感的なUIを採用。ITに慣れていない作業者でも扱いやすい構成にしています。
02|工程情報や作業者をNFCカードで管理
作業指示情報はサーバー側で管理し、現場ではNFCカード(工程IDと社員証)を読み取るだけで記録が可能です。紙の作業指示書や作業後の転記入力を減らす構成となっています。
03|電源以外の配線が不要
端末は電源のみで設置でき、通信にはWi-Fiを使用。大掛かりな配線工事を必要とせず、既存設備の近くにも柔軟に設置できます。また、本体はマグネット固定式となっており、金属筐体であればさまざまな設備へ簡単に取り付け可能です。
-Interview-
クライアントインタビュー
クライアントの協和合金株式会社の鹿野さんに、ファクトリースキャナー導入の背景や、現場での変化についてお話を伺いました。
——なぜ「工数管理」を見直そうと思ったのでしょうか?
一番大きかったのは、記録の精度です。
どうしても手書きだと、人によって時間の付け方が違ったり、記入を忘れて大体の時間で記録してる場合も多かったです。特にうちは試作や単発案件も多いので、「だいたいこれくらい」という感覚ではなく、過去実績を明確に残したかった。ということが大きいです。
——現場で一番変わった部分はどこですか?
やはり「転記作業」が減ったことですね。
以前は紙に記録して、それをまた別の場所のあるパソコンへ入力していたので、実際には“作る以外の仕事”が結構ありました。今はカードをかざして開始・終了するだけなので、現場の流れがかなりシンプルになりました。
——現場の反応はいかがでしたか?
最初は賛否両論でした。
今まで自己管理できていたベテランの方からすると、「なぜ今さら?」という感覚もあったと思います。ただ、若い世代にとっては、紙よりこういう操作の方が自然ですし、外国人の方などは言語の壁もあったりするのでこの方が便利だと感じています。世代によって“使いやすさ”の感覚が違うことは、導入して改めて感じました。
——今後、さらに実現したいことはありますか?
時間だけじゃなく、「数量」も自動で取りたいですね。
今は人が数えて入力している部分もありますが、設備の信号と連携できれば、自動でカウントできる可能性があります。そうなると、単なる工数管理ではなく、工場全体のデータ管理に近づいていくと思っています。
——このシステムは、他の製造業でも活用できそうでしょうか?
規模の小さい工場や、紙管理が残っている現場には合うと思います。
大掛かりなシステムを入れるほどではないけれど、まずは工数や作業実績をちゃんと見える化したい、という会社は多いと思うんですよね。実際、うちも最初から大規模なDXを目指したというより、“現場で使える形”を少しずつ作っていった感覚です。
あと、この仕組みは業種を限定しないと思っています。設備の稼働管理や作業時間の記録が必要な現場であれば、いろいろ応用できる可能性はあると思います。
広がる活用と今後の可能性
Factory Scannerは、単なる工数管理システムではなく、“現場データを取得するための入口”として、さまざまな展開が期待されています。
現在は製造現場での工数記録を中心に活用されていますが、今後は、
- 生産数の自動カウント
- 設備信号との連携
- 工場全体の見える化
- トレーサビリティ管理
- IoTによるリアルタイム監視
など、より高度な製造DXへの発展も視野に入れています。
また、製造業だけでなく、
- 設備保守・メンテナンス管理
- 倉庫や物流現場での作業記録
- 研究・試験設備の利用管理
- 小規模工場や町工場のDX化
など、さまざまな分野への応用可能性についても検討が進められています。
NeotecJapanでは、既存設備や現場運用に合わせた柔軟なカスタマイズを行いながら、“現場に定着するIoTシステム”として開発・実装支援を行っています。
-Client-
クライアント情報

協和合金株式会社
〒236-0002 神奈川県横浜市金沢区鳥浜町17-4
温間鍛造、切削加工、放電加工、樹脂射出成型、アルミダイカストなどの製造技術を活かし、金属部品の開発・製造・販売を行う。 今回、試作・単発案件を扱う製造現場にファクトリースキャナーを導入し、工数管理の電子化と実績データの活用を進めています。






